第63章 演練大会ー1日目ー
時刻は夜の8時過ぎ。
場所は食堂。
「うわー…。」
「めちゃ混んでる…。」
そこには長蛇の列が出来ていた。
200組近くいる本丸の審神者と刀剣を賄っているのだ。そう簡単に空く訳がなかった。
「…戻るか。」
誰ともなく呟くと、来た道を戻り始めた。
「外に食べに行っちゃダメなんだっけ?」
「五稜郭内にあるコンビニならOKだって。」
加州の問いかけに燭台切が答えた。
「コンビニはちょっと…。」
レンは現代での食生活を思い出す。
燭台切の味に慣れているせいなのか、どうにも口に合わなかった。
それを聞いて、彼等はこんのすけから聞いた現代でのレンの様子を思い出す。
『主様は、ここ最近はずっと非常食を食べていたものですから。人の食事、という意味では久しぶりに感じるのも無理はないかと。』
…やめよう。コンビニだけはやめよう。
コンビニなんて行った日には、この子はカロリーメイトしか買わなそうだ。
「出前とか取れないのかな。」
「そう言えば、9時から食堂でテイクアウトが出来るって書いてあったかも。」
加州の問いに、燭台切が少し上を向きながら掲示板を思い出す。
「もう一回見てみよう。」
と、いうことで彼等は部屋に戻ることになった。