第63章 演練大会ー1日目ー
「よし、じゃあ次はベッドにしてみるか?」
薬研が立ち上がり、パネルを操作すると、どれどれ、と皆で覗き込む。
「あれ、これ背景も変えられるんだ。プラネタリウムがあるよ。」
と、加州。
「夜の海なんてのもありますよ。音あり、だって。」
と、レン。
「無難に間接照明にしたら?よく眠れるよ?」
と、燭台切。
それを受けて、薬研がパネルを操作する。
「だったらいっそのこと、和室でどうだ?」
「それ、いつもと同じじゃん。」
加州は少し渋面を作った。
「だからいいんだろ?」
「少しくらいは代わり映えのある方がワクワクしませんか?」
レンも加州に賛成だ。
折角の遠出なのだ。少しは違う気分を味わいたい。
「なぁなぁ、これは?キャンプ式。」
鶴丸は一つを指さす。
「「「却下。」」」
「…やっぱり?」
「何が悲しくて部屋で野宿なんですか。」
「そうだよ。」
「それは最早ただの阿呆だな。」
レン、加州、薬研はパネルから目を離さないまま断る。
「そこまで言うか…。」
肩を落とす鶴丸の肩に、燭台切はそっと手を置いた。