第63章 演練大会ー1日目ー
「いやっほぅ!」
「俺、ここにしようかな。レンどこにする?」
「上のベッドならどこでも。」
「僕も上がいい。」
「私は下の方が落ち着きます。」
「僕も体が大きいからね。下の方が落ち着くよ。」
「俺はどっちでも構わないぜ。」
結論。
隣の部屋は寝室だった。
それも大きな二段ベットが4台。
聞けば部屋の様式はパネルで簡単に変更出来るらしい。
「でもさ、何で二段ベットにしたの?」
加州は鶴丸に尋ねる。
この様式を独断で選んだのは彼だ。
「なんかワクワクしないか?」
鶴丸は窓側の上のベッドから身を乗り出して、下の加州を覗く。
「まぁ、気持ちは分からなくはないけどね。」
楽しそうだな、と思いながら加州は少し困ったように鶴丸を見上げた。
「全種類試してみればいいんじゃないか?簡単に変えられるんだろ?」
薬研が提案すると、加州はそうだね、と頷いた。
「ハンモックもあったぞ。」
「「「やだ。」」」
鶴丸の勧めに、レン、燭台切、加州が声を揃えた。
「何でだ!?楽しそうだろう!?」
「昼間一人で楽しんでください。夜は断固拒否します。」
「俺も。」
「僕もちょっと。夜くらい安定したところで休みたい。」
レンはきっぱりと、加州は呆れながら、燭台切は苦笑して断る。
三者三様の結論に鶴丸は肩を落とした。
「一人でやったって面白くないじゃないか…。」