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君に届くまで

第63章 演練大会ー1日目ー



女性が去って、少し寛いでいると、テレビの横にある大型モニターがぱっと付き、アナウンスが流れ始めた。

『只今より大会を開催致します。出場する本丸の刀剣はアリーナエリアまでお越し下さい。
対戦予定の本丸は掲示板の通りです。13時から開始となりますので、時間厳守でお願い致します。』

ー成程、これが掲示板か。

レンが近づき眺めていると、横から鶴丸が掲示板を触り始める。

「お、これタッチパネルだ。」

「へぇ。すごいね。」

加州もレンの隣に並んで興味津々に見る。

「えーと、うちの本丸は…。あった、これだ。14時からだな。」

トーナメント表を見ると、ずらりと数字が並んでいる。
見るだけでも目が痛くなりそうだ。

「…1時間後ですか。随分と長いですね。」

江雪が時計を見ながら呟いた。

「まぁ、全国から集まってるんだから時間がかかるんだろうさ。
さて、気長に待つか。」

「暇だね。」

小夜も珍しく時間を持て余している。

「そう言えばさっき、奥の部屋が使えるようになったって言ってませんでした?」

「俺も気になってた。どうせ暇なら見てみようよ。」

「よぉし!俺がいっちばーん!」

鶴丸が意気揚々と先陣を切るのを、レンはほっとして見た。

「…そういうことね。レン、あのパネルが触りたくなかったんだ。」

「…嫌なんですよ。複雑な電化製品。」

視線の先では、鶴丸が燭台切、小夜、薬研とで楽しそうにパネルを操作している。

「お、開いたぞ。レンも来いよ!伽羅坊も来ないか?」

「俺はいい。」

大倶利伽羅は鶴丸を見向きもせずに、本に見入っている。

「清光も見るでしょう?」

「そうね。江雪さんも行こうよ。」

「そうですね。お小夜が行くなら私も。」

レンが加州を誘い、加州が江雪を誘う。
結局、大倶利伽羅を除く皆でぞろぞろと部屋に入って行った。
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