第63章 演練大会ー1日目ー
夕飯の時間になり、刀剣達が続々と広間に集まってきた。
「突然ですが、○月×日に演練大会があります。まずは参加希望者を募ります。誰か出たい人いませんか?」
本当に突然切り出された話に彼等は一瞬戸惑った。
○月×日というと…?
「○月×日って明後日じゃん!」
事の大事に気がついた獅子王が声を上げた。
「すみません、私がこれの存在を忘れてたもので。」
レンは、そう言って件の書類を掲げて見せる。
「おい!!」
これにはさすがの鶴丸も怒りの形相を浮かべる。
「ダメダメじゃん。っていうか演練大会って何するの?」
大和守は演練大会なるものを知らないので尋ねてみると、
「普段やってる演練の大会です。」
ずぼらな答えが返ってきた。
「「ちゃんと説明しろ!」」
薬研と厚も、遂に堪忍袋の尾が切れる。
噛み付く勢いで文句を言う2人を見てから、レンは手元の書類の概要を読む。
「えーっと…。審神者及び刀剣男士6名は東京○○○…、つまり東の五稜郭に集まり、他本丸の刀剣男士と演練を行う、ことらしいです。」
「忘れないでよ。こんな大事なこと…。」
加州は半眼でレンを見遣る。
「すみません。」
レンは頬を掻いて一言謝ると、彼等から大きなため息の大合唱が鳴った。