第62章 バーベキュー ーその2ー
「え!?レンちゃん!?」
「なっ!レンがいるのか!?」
燭台切と太鼓鐘も鶴丸の側に寄って、大岩の向こうを見る。
何だ何だと、三日月達も覗き込む。
そこには、大判の白いタオルを巻いただけのレンが足湯をしている様に座っていた。
緩く結い上げた髪の隙間から覗く頸が色っぽい。
前屈みになって顔を覆っているが、何かあったのだろうか?
「レンちゃん…?」
燭台切がそろりとレンを呼ぶと、彼女はゆっくりと上体を起こす。
その顔は上気していてほんのり赤く、目がとろんとしている。
体は水気を含んだタオルがぴったり張り付いて、体のラインが丸わかりだ。
何となく目のやり場に困って、彼等はそろりと視線を外す。
「…のぼせました。」
いつからいたんだ…、と彼等は思う。
時刻はもう間もなく日付が変わる頃だ。
鶴丸達は酒盛りをしていた為、この時分になってしまったが、バーベキュー自体は8時か9時にはお開きになっていた。
「…今から出るんで、みんな向こう向いてもらっていいですか?」
レンはゆっくり立ち上がりながら、彼等の後ろを指さした。
「は…、ハイ…。」
彼等は黙って従い、レンに背を向ける。