第62章 バーベキュー ーその2ー
『今日は楽しかったな!』
『またやりたいね。』
『今度は俺も狩りに行ってみたいな。薬研達、大変そうだったけど、面白かったって言ってたぜ。』
『…お前はもうちょっと練度を上げろ。』
『俺はじじぃだからな。遠慮しておく。』
『…そういう時だけじじぃをうたうのは反則だと思う。』
レンは刀剣達の話し声で目が覚める。
ーあれ…?寝てた…?
レンは重たい頭をゆっくりと持ち上げる。
どうやら本格的に寝てしまったらしい、と気が付いた。
ー熱い。頭がくらくらする。
のぼせている、と気づいても、どうにも体を動かすことが出来ず、レンは体を冷やす為に風呂の縁に腰掛ける。
もたもたしているうちに、彼等が外風呂の方に出てきてしまった。
「今日の肉は残らなかったのか?」
「レンちゃんが大方食べ切ったよ。」
「よく食うな、あの子は。残っていたら明日の朝にでも焼いてもらおうと思ってたのに。」
「…お前、朝から肉を食う気だったのか…。」
「ま、レンがご飯残すとかないからな。意地でも食い切るだろ。」
「体は俺達よりも小さいのにな。大したものよ。」
「ほんとにいい食べっぷりだったな。」
声からすると、鶴丸、燭台切、大倶利伽羅、太鼓鐘、三日月、獅子王といったところだろう、とレンは推察する。
ー見つかれば、光忠には小言を言われるかも…。
膝に肘をつき、手に顔を乗せるようにして、くらくらする頭を支えていると、
「な…!レン!?そんな所で何やってるんだ!?」
鶴丸に早速見つかってしまった。