第62章 バーベキュー ーその2ー
パチパチっ…
篝火が燃え盛るすぐ側で、火を入れた七輪が2個ずつ8箇所並べられている。
その上には網が乗せられ、準備は万端だ。
「さぁ、持って行っていいよ。好きな所で焼き始めて。」
燭台切の掛け声に、刀剣達は肉を受け取りにわらわらと集まる。
「お腹すいた〜。」
「今日、めちゃくちゃ走り回ったもんな〜。」
乱と厚はタレに漬け込まれた肉を、目を輝かせて見た。
「よっしゃ〜!食べるぞ〜!」
「貞坊!こっちが空いてるぞ!」
太鼓鐘はちゃっかり全種類の肉を確保して小躍りしながら駆けていく。
「うんま〜!!鹿うまっ!!」
「牛も中々…。」
「箸止まんな〜い!!」
「あ!これ俺の肉!!」
大和守、陸奥守、乱、加州は、やいやいと騒ぎながら肉を頬張る。
「虎さん。虎さんも食べますか?あ、生肉の方がいいですね。」
五虎退は虎達にも肉をあげたいらしい。
そこへ燭台切がすっと皿を差し出した。
「はい、五虎ちゃん。虎ちゃんの分だよ。」
「わぁ!燭台切さん、ありがとうございます!」
「油揚げ!油揚げがありますぞ!こんのすけ殿!」
「ふわふわ極上でございますね!」
鳴狐のお付きとこんのすけは仲良く油揚げを頬張る。