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君に届くまで

第62章 バーベキュー ーその2ー



「それなら、鶏肉を保存してくれるかい?鶏は普段の料理で使いやすいから。」

歌仙が鶏肉を包み直した。

「外に鹿もあるぞ。」

薬研と乱がにっと笑う。

「え!?本当に獲って来たのかい!?」

「ほんとほんと。苦労したんだよ?」

驚く歌仙に、乱が得意気に胸を張る。

「なら豚も保存してもらおうかな。焼肉なら牛だけで十分でしょ。」

燭台切は笑う。
それを聞いて、鶴丸と太鼓鐘は焦り出す。

「待て待て待て!折角買ってきたのに!」

「そうだぜ!今食おうよ!」

「却下。」

鶴丸と太鼓鐘の訴えを、レンは即刻撥ね除ける。

「「何だと〜!?」」

「わかった、わかった。少しだけ切り取って出すから。それならいいだろう?」

燭台切が、怒り出す2人を宥めるように代案を出すと、渋々頷いた。

「まぁ、仕方ない…。」

「みんなで食いたかったのに…。」

鶴丸は名残惜しそうに肉を眺め、太鼓鐘は恨めしそうにレンを見る。
が、レンは考えは曲げないとばかりにそっぽを向いた。
それを見ていた燭台切達は苦笑いを浮かべる。

「さて。僕達は準備するから、きみ達はお風呂にでも入って汚れを落としておいで。」

歌仙が薬研達を促す。

「そうさせてもらうかな。乱、行こうぜ。」

「レンはどうする?」

「鹿を捌いてから行きますから、先にどうぞ。」

薬研と乱は、それを聞いて少し引き攣りながら乾いた笑いを零す。
狩っただけでも罪悪感があったのに、それを更に捌こうとは…。

「…ほんと。怖いものなしだね。」

「…だな。」


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