第62章 バーベキュー ーその2ー
「そろそろ、帰ってくるかな?」
「どうだろう。そもそも本当に鹿なんて狩って来れるものかな。」
燭台切と歌仙は夕飯の支度をしに厨へと来た。
「光坊!買ってきたぞ!」
「どうよ?牛豚鶏のブロックだ!鮮度抜群で安値で購入出来たぞ!」
鶴丸と太鼓鐘は、買ってきた肉塊を、どどん!と作業台の上に置く。
「…うわ…。もう後戻り出来ないね。今日の献立はバーベキューだ。」
歌仙が受け取った財布の中身を確認しながら呻いた。
財布を渡した鶴丸は首を傾げる。
「なんだ。歌仙はやりたくないのかバーベキュー。」
「勿論やりたいさ。やりたいけど、本丸の予算を考えたら普通は躊躇するものだよね!?」
「まぁ、細かいことは気にするな。」
「そうそう。レンみたいに細かいことは気にしないことだ。」
太鼓鐘も鶴丸に倣う。
「他ならぬレンが気にしてるんだ!」
「まぁまぁ。また僕達ががんばって褒賞を取ってくるしかないよ。」
段々と怒りで興奮する歌仙を見かねて、燭台切は宥めるが、彼はやれやれと額に手を当ててしまう。
「きみまで…。褒賞はそう簡単に取って来れるものではないだろう。」
その時、厨の勝手口からレンが入ってきた。
「ただいま戻り…ました…。」
レンは、作業台の上に置かれている肉塊を見て唖然とした。
レンの後から、薬研、乱が続く。
「どうしたんだ?この肉。」
「わぁっ。結構あるよね、これ。」
2人は興味津々に肉塊を囲む。