第62章 バーベキュー ーその2ー
「さて、誰を呼ぼうか…。」
レンは考える。
索敵は広範囲をカバー出来るだけの人数はほしい。
それに仕留めるには、薬研、厚、乱だけでは心許ない。出来ればもう少し打撃が高い人がほしいところだ。
薬研達より打撃が高くて、そこそこ索敵が出来そうな人と言えば…。
加州清光。
彼なら問題ない。
ついでに安定も巻き込もう。
「…レン、悪い顔になってるぞ。」
厚が顔を顰めながら見上げる。
「そんな変な顔してました?」
レンは不思議そうに自身の顔をぺたぺたと触る。
「「いつもの悪巧みの顔してた。」」
今度は乱も一緒にレンに返した。
だが、彼女は気にする様子もなく、ふーん、と気のない返事をする。
「取り敢えず助っ人呼んでくるんで、正門で待ち合わせしましょう。
あ、吉行。すみませんが、光忠か鶴さん辺りを捕まえて残りの仕事片付けてもらっていいですか?出来る範囲で構わないので。」
陸奥守はそれを聞いて脱力した。
何という行き当たりばったりな、と思わずにはいられない。
レンのことを、隙がない、なんて思っていたのが嘘のようだ。
「了解した。こっちの事は気にせんで思い切りやっとーせ!」
「ありがとうございます。」
次いで、レンは薬研達に向き直る。
「薬研達は動きやすい格好に着替えてください。刀を忘れずに。あと、五虎退も誘っておいてください。」
そう言うと、レンは足早に道場を出て行った。