第62章 バーベキュー ーその2ー
厚、薬研、乱は3人仲良く壁に背を預けレンの行動を眺めている。
「…何かさ、レンがわらわらといるって不思議な光景だよな。」
「しかも、号令もなく統率がとれてるときた。」
「あ、始まった。」
だだだだだだ…
地響きのような音と共に、レン達が一斉に雑巾掛けをしだした。
道場の端から端へ、一矢乱れぬ動きはある意味圧巻だ。
「おぉぉ!見応えあるのう!」
陸奥守は面白そうに乱達の側に来て一緒にそれを眺める。
4往復程度しただろうか。
レン達は一斉に雑巾掛けを止めて、バケツに雑巾を集めていく。そして、
ボボボン!
一斉に消えた。
「さて、と。」
レンは次に、刀置き場に足を向けた。
稽古時には必ず持って来させている本体だ。
そうすれば稽古中に怪我をしてもその場で治せてしまうし、少しくらいの無茶もできる。
レンは一振り一振り鞘から抜いて状態を確かめる。
「これダメかな…。」
傷を見つけると、側に置いてあった小さな葛籠から玉鋼を一つ出す。そして手を翳してチャクラを流して修復する。
「お、治った。」
後ろから嬉しそうな声が聞こえた。
どうやら、厚の刀だったらしい。
「後は、これとこれか…。」
大きい刀と中位の刀を鞘から抜いて並べ、チャクラを流す。
「よかったじゃん、兄弟。」
「あ、あぁ…。」
「温かいね。」
骨喰と歌仙だったようだ。