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君に届くまで

第62章 バーベキュー ーその2ー



「今日はここまでにしますか。」

レンは屍と化した彼等を見渡しながら思う。
そこまできつい稽古だったのだろうか、と…。

「…鬼がいる…。」

乱は息を切らせてぐったりしながらぽつりと呟いた。
それに薬研と厚が、やはりぐったりしながら同意する。
レンはそれを少し呆れて見遣りながら、動けない彼等の代わりに後片付けをし始める。

「乱達はスタミナ切れるの早すぎやしませんか?」

レンは全員の稽古に付き合ったにも関わらず、少し汗をかいた程度で、体力的には問題ない。
乱達のようにひっくり返って動けない、なんてことは全くならないのだ。

「そんなこと言ってもなぁ…。」

「俺達、短刀だしな。」

薬研と厚は顔を見合わせる。

やはり生まれつきのスペックの違い、そこに尽きてしまうのだろうか。
一緒に稽古をしていた鯰尾と骨喰は、レンどころか乱達のスピード、スタミナに遠く及ばず、道場の端で目を回して倒れている。
歌仙と山姥切も似たり寄ったりだ。

ー何かもっと自力や能力を底上げできる修行ってないものだろうか…?

ここ最近、レンはこの課題に頭を抱えていた。

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