• テキストサイズ

君に届くまで

第61章 主の弱さ



「ちょっ…、あんた達大丈夫かい!?」

次郎太刀の声が響いた。

「大変ですね。すぐに主を呼んできましょう。」

「だったら、俺が行く!2人は手入れ部屋に怪我人を運んで。」

そう言って獅子王が走っていった。

「よし。動けない奴は誰だい?」

「伽羅坊だ。歌仙と小夜も気を失っている。」

「任せな。ほら、あんた。手を貸しな。」

差し伸べられた手を見て、俺は逡巡した。
何とか自分で歩いていきたい。

「ほら、伽羅坊。俺も傷を負ってるんだ。支えてもらえ。」

鶴丸はそう言って笑いながら俺を促す。
体が言うことを聞かない以上、そうするしかないだろうな…。

「何を迷ってるんだか知らないけど、人の厚意は素直に受け取っておくもんだよ。」

そう言って次郎太刀は問答無用で俺の手を取り軽々と抱き起した。

「お、おい…。」

焦る俺に構うことなく、軽々と担ぐとそのまま足早に運ばれていった。

/ 1263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp