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君に届くまで

第57章 宴




ー誰かいる…?


レンは変化の術で、鬼とも山姥とも見えるような化け物に化けた。その姿は、白いボサボサの長い髪に、薄汚れた黒い着物をズルズルと下げている。
後ろ姿を見ているだけでも悍ましい、と鯰尾は思う。

事の成り行きを見ていると、レンは突然廊下から地面に飛び降りた。


「だ〜れ〜じゃ〜!」


「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」」」


レンは両手を広げ、潜んでいる者に飛びかかるような格好をとる。
すると、中の方から恐怖する声が聞こえてきた。

彼女のその顔は、口は裂け、目はギラギラと吊り上がり、身の毛立つ程恐ろしい。


レンは変化を解くと、呆れ顔を向ける。

「何してるんですか?」

すると中から3人が這って出てきた。

「ひどい…。」

「僕達、心配して来たのに…。」

「すみません、覗くつもりはなかったんですが…。」

加州、大和守、一護一振だった。
彼等は三者三様に項垂れる。


「すっごい怖かった!!」

「逆光で怖さ倍増だよ!!」

大和守、加州がレンに食ってかかった。

「そんな所に潜んでるからですよ。」

レンはため息をつき、片手を腰に当てる。

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