第57章 宴
「経過は良さそうですね。」
担当医は、レンの触診をしながら怪我の具合を診る。
「無理は禁物ですが、明日退院で問題ないでしょう。2週間後にまた診せに来てください。」
レンはそれを聞いて、小さくほっとする。
「全治2ヶ月って聞いてたんですが、退院しても大丈夫なんですか?」
「あくまで大体の目安ですから。それより時間がかかる人もいれば、早く治ってしまう人もいますよ。
レンさんは、骨もしっかりくっついていますし、痛みも殆どないみたいですから、心配ありませんよ。」
「こいつ、無理を押すところがあるんで、少し心配なんですよ。」
担当医の言葉に瀬戸は苦笑して、レンの頭を撫でた。
それを見て担当医は少し笑う。
「それは心配ですね。
レンさんは稀に見る早さの回復ですから、もしかしたら動いているうちに痛みが出るかもしれません。
もし、痛みが出るようならば我慢せずに受診してください。」
担当医はレンを見て言い、彼女は頷いた。
「わかりました。ありがとうございました。」
「では、お大事に。」
瀬戸がお礼を述べると、担当医はにこりと笑って出て行く。