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君に届くまで

第56章 七海の奪還



七海を抱きしめる長谷部の体は僅かに震えていて、いかに彼女を心配していたかが窺える。

けれど、七海は嬉しかった。
長谷部を悲しませてしまった、という思いより、震える程心配し想ってくれたことが、何よりも胸を熱くする。

七海は力の入らない体を何とか動かし、長谷部の背に手を回す。
すると、益々強く抱きしめ返された。
苦しいのが、また嬉しい。

ー怪我をするのも、悪くないかも…。

七海はこっそり笑いながら思っていた。


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