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君に届くまで

第56章 七海の奪還


それを聞いた七海の刀剣達は唖然とする。
12振送るとなれば、補助具は必須。それを何の道具も使わずにとは恐れ入る。

「いや、さすがに1振に対して6振は多いんじゃないかい?レンちゃんも大技使うとしたら、神気が足りなくなるだろうし。
何より室内戦だろう?対して相手は鴉1人。そうなると、大勢で行くよりも…」
「そうか。少数精鋭で当たった方が抑えやすい。」

燭台切の推理に太鼓鐘が結論を纏める。

「そういうことだね。だから”最低3人”なのかなって、僕は思う。」

「こんのすけは前にレンと鴉の実力は同等だって言ってたよね?なら、スピード重視で選んだ方がいいと思う。」

「なら、俺が行く。」

大和守が提案すると、骨喰が手を挙げる。

「兄弟が行くなら俺も行く。俺達は、この本丸でも群を抜いて強いよ。」

骨喰に続いて鯰尾が名乗りを上げる。

「行くのはいいけど…、こんのすけはいけそう?」

加州は七海のこんのすけに尋ねる。

「わたくしの方は、ぎりぎりといったところです。ただ、此度は私ひとりではなく、レン様のこんのすけ殿もおります故、何とかなると考えております。」

七海のこんのすけは、レンのこんのすけに微笑む。

「なら、七海さんとこは決まりだね。俺達はどうする?」

加州は仲間を振り返る。

「俺が行く。脇差が出るなら打刀がいた方が有利になる。」

大倶利伽羅が名乗り出る。

「そうか、ニ刀開眼か。なら、俺が行く。実力からすると、打刀だったら大倶利伽羅の次に俺が並ぶよね。」

「俺も行く。何がどうなるか分からないからな。」

加州と鶴丸も名乗りを上げた。

「よし。じゃあ決まりだね。七海さんとこは骨喰君、鯰尾君。僕達のとこは伽羅ちゃん、加州君、鶴さんで。」

燭台切が締め括る。

「では、行く方は前へ出てください。急ぎましょう!」

2人のこんのすけ空いているスペースに出て、刀剣達は2人の周りに集まる。

「では、行って参ります!」

こんのすけの掛け声と共に、彼等は現代へと飛んで行った。

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