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君に届くまで

第11章 バーベキュー



「…いつも思うんですが、この量の具材はどこに保管されているんですか?」

レンは不思議そうに燭台切りに問う。

「…それを聞くなら、どうやって鹿を仕留めたか教えてよ。」

「ボクもボクも!知りたい!」

「え、まだ引っ張ります?それ。」

「ぼ、僕も知りたいです。」

「わたくしも気になりますね。」

「いや、そこまで隠すことじゃないんですが…。
これ見せたら、ドン引きすると思うんです。」

レンは困った様に言う。

「大丈夫!絶対引かない!」

「…女に二言はありませんね?」

「ボク、男だけど。男に二言はない!」

「え?男?」

レンは別の意味で衝撃を受ける。

「今はそんな事いいから!教えて!」

「え、あ、うん…。それなら…。」

レンは立ち上がると、何もない方に向かい印を組む。

「氷遁、氷柱槍。」

唱えると何も無い空中に棒が形成され、5、6本勢いよく地面に突き刺さる。1本2mはあるだろうか。
一同は驚きと恐怖で固まり動けない。

「…うん。そんな反応するだろうと思った。
だから”秘密”だと言ったんですよ。」

レンは皆を見回して、一つため息をついた。

「…ま、まほうつ…」
「違います。忍術です。」

乱の言葉に被せる様にレンは否定する。

「魔法使いじゃん!」

「違います。忍者です。
何ですか魔法使いって。そんな摩訶不思議なモノに分類しないでください。」

「じゃあ、何に分類するの?」

「歴とした技術です。一族の誇りです。」

「わ、わたくしは、ぜぜんぜん!まったく!お、驚いてなんか、い、いませんよ!」

吃りまくる鳴狐に、

「五虎退みたいになってますよ。」

とレンは突っ込んでおいた。

「ねね!じゃさ、もっと凄いの出来る?」

「凄いの、とは?」

「もっと、こう、バーン!っていう派手なの!」

乱は身振り手振りでレンに伝える。

「まあ、出来ないことはないですが…。」

「やって!見せて!」

乱は目をきらきら輝かせてレンにせがむも、

「嫌ですよ。」

と、一言。即答だ。
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