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君に届くまで
第55章 〜〜幕間4〜〜
「…長谷部…。」
もう彼を何度呼んだだろう。
けれど、長谷部は答えない。
答えられる訳がない。
顕現した姿を解かれ、
封印の呪をかけられて、
刀として無造作に立て掛けられているのだから。
あの札を破いてしまえばいいと分かっていても、私自身も封じられて近づくことは叶わない。
それでも呼ばずにはいられない。
だって彼は私の全てだから…。
だから、
私はどうなってもいいから。
どうか彼を助けて…。
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