第54章 政府の企み ーその2ー
刀剣達を交えて、レンは新田とのやり取りを話した後、瀬戸にも今日のデータを見てもらう。
「博多さん、もう一回お願いします。」
「任しとき!」
レンの言葉に博多が答えて、ROMを再生させる。
「…マジもんだわ。嘘みてぇ。」
はは…、と瀬戸は乾いた笑いを漏らす。
瀬戸は、手に入ったらラッキーくらいにしか思ってなかった為、思わぬ僥倖に呆然とするしかない。
「このデータをくれた新田さんが、瀬戸さんに後ろ盾になってほしいって言ってました。情報漏洩の咎を受けなくて済むように。」
レンは新田からの伝言を瀬戸に伝えて、預かった名刺を渡す。
「勿論だ。必ず何とかする。」
「七海さんはどうなってますか?」
「取り敢えず、親父から叔父さんに頼めることになったから何とかなると思う。ついでに現状報告して、奥脇の不正証拠のコピーをごっそり渡しといたから何かしらのアクションがある筈だ。」
「わかりました。」
「よし!じゃあ、もう一回送れ。」
「…はいはい。」
体よく使われてる感は否めないが、これが特殊装置であることはレンも承知している。
仕方ないか、と思いながらも転移装置を起動させた。