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君に届くまで

第54章 政府の企み ーその2ー



プルルル、プルルル、プルルル、プルルル、…

出ない。
レンは一度切ると、少し間を置く。

プルルル、プルルル、プル…

『もしもし。』

やっと出た。
ある意味いつも通りになったな、とレンは少しほっとする。

「レンです。今戻りました。」

『随分早かったな。やっぱダメだったか?』

「いえ。データ手に入りました。」

『そうだよな…。…え…?…手に入った?」

「はい。今、博多さんに中身を確認してもらっています。」

レンが報告し終わると、暫し沈黙が流れた。



『えぇぇぇぇぇえええ!!!!??』



レンは反射的にスマホを耳から離した。

「大声出さないでもらえますか?耳が痛くなります。」

『いやいやいや!!これが大声出さずにいられるかよ!!』

瀬戸は電話越しでも伝わる程興奮した様子で捲し立てる。

『おまっ…!だって!フルだぞ!!?』

「阿呆ですか、あなたは。間者がいるんでしょう?」

レンは間髪入れずにツッコミを入れる。

『あ…!わりぃ、つい。と、とにかく迎えに来い!話はそれからだ!』

「…了解っす。1階ロビーにいてください。」

そう言うと、レンは通話を切ってスマホをしまう。

「ちょっと行ってきます。」

「瀬戸さんのとこ?」

「はい。迎えに来いとのことだったんで、すぐ戻ります。」

レンの言葉に加州は苦笑いを浮かべる。

「ははは…。いってらっしゃい。」

その言葉を受けて、レンは転移装置を起動させる。
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