第54章 政府の企み ーその2ー
――七海の本丸にてーー
レンが部屋の障子をすっと開けると、迎撃態勢に身構えた刀剣達に出迎えられる。
「レン!」
手前にいた鶴丸は瞠目して彼女を見上げた。
「戻りました。あれから敵襲、ありました?」
レンは淡々と鶴丸に返しながら、現状の確認に入る。
「いや、あれから静かなものだった。随分と早かったな。」
鶴丸は刀の柄から手を離して立ち上がると、レンに近づき難しい顔をした。
「やっぱり難しいか…。」
「いや。データ、手に入りました。」
「…は!?」
鶴丸は一拍遅れて驚きの声を上げる。
「はやっ!どうやったの!?」
乱をはじめ、刀剣達が驚きながらレンに集まる。
「あー…。」
あれを説明するのは、少し面倒だ。
「先に中身の確認をしたいのですが、誰か確認できる人いませんか?」
「俺がやるばい。」
七海の刀剣である博多が名乗りを挙げる。
「お願いします。」
博多は自身のノートパソコンを開き、カチリ、カチリ、と操作してROMの1枚を入れる。
すると、問題の映像が出てきた。武装した男達が七海の部屋に押し入った所から、逃げる所までしっかり映っている。
「何回見ても、鮮やかたいねー。」
「いや、褒めるところじゃないから。これが原因で七海さん連れてかれたんでしょ?」
博多の言葉に、信濃が呆れながら返した。
「しっかり入ってますね。瀬戸さんに連絡入れます。他のも見といてもらっていいですか?」
「よかとよ。」
レンは博多に確認を頼むと、少し離れて瀬戸に連絡を入れる。