第54章 政府の企み ーその2ー
「おぉ!すげぇな。ほんとに妖術だ。」
新田は目を輝かせながら、レンを見る。
「な、な、な。これやって見せてくれよ。」
そう言いながら、新田は起動しているパソコンが置いてある机に走っていき、レンを手招きする。
そして、カチリ、カチリ、とパソコンを操作して見知らぬ女性の画像を出した。
「これ!この人に化けられるか?」
「…はあ?」
藪から棒に何を言い出すんだこの人は、とレンは思い切り怪訝な顔で新田を見遣る。
それを見た新田は、それ引き出しの一番下から5、6枚の四角のケースを取り出した。
「これが、お前さんが探しているデータだ。これバックアップ取るのに苦労したんだからな。これの労い代わりにちょっとだけ化けて見せてくれたっていいだろ?」
な?と言いながらROMを見せる。
が、操作方法も記録媒体も知らないレンからすれば、見せられたところで信憑性などあったものではない。
「…何だ?それ。」
「…え?…どういうこと?」
「…いや、だから。その丸いピカピカの物何?」
「…マジか。」
新田は珍妙なものを見るような目でレンを見た後、ケースからROMを取り出して機械にセットする。カチリ、カチリ、と操作して、幾らもしないうちに動画を再生させる。
ババババババン!
画面から音がして見てみると、今日の戦闘風景が映っていた。
レンは目を瞠る。
「これ…。」
「お前さんのほしいものはコレだろ?」
新田はレンに問いかけ、彼女は呆然と頷いた。
「よし!じゃ見せてくれるよな?」
新田は嬉しそうにレンに言うと、先程の女性の画像をを表示させた。
レンは、うっ、と言葉を詰まらせた後、嫌々画像を見る。