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君に届くまで

第54章 政府の企み ーその2ー



七海の刀剣もレンの刀剣も一緒くたに集まって、小さなテレビを囲む。
そこには、レンが七海を助けた時の映像がはっきりと映っていた。

身代わりの術で発砲を防いだ後、七海を捕まえていた男の1人を蹴り倒し、更にもう1人も凍らせて、怯んだ隙に腕を負傷させて七海を引き離す。七海を氷で覆った後は人間離れした動きで発砲を防いでいた。
正にあっという間の出来事だ。

映像の角度は軒下辺りだろうか?
映画の様に綺麗に写っている。
長さは約10秒。

「…スパイダー、か。」

「…気づかなかった。」

瀬戸とレンは呆然と呟いた。

ワイドショーらしいその番組は、映像を何度も流してはコメンテーター達が批判を繰り返す。
見出しも、レンを狙ったかの様な批判的なものだ。

更には国会議事堂での、占拠する様子だけが切り取られて流される。その途中で出てきたレンの顔が拡大されて写されていた。

『いや〜しかし、こんな暴力的な人が審神者になっているなんて、怖いですねぇ。』

『審神者ってかなり守られてるんでしょ?こんな騒ぎを起こす様な人を、それも平気で傷つけられる人を守る必要あるんですか?』

『審神者って、国家公務員の括りに入るって言うじゃないですか。はっきり言って税金の無駄ですよね。こんな人はさっさと辞めさせてしまえばいいんですよ。』

『出頭要請を無視しての暴挙ということですが。この方、本来の役目である任務も放棄していたとか。
どうなんですか、これ。これだけ問題をおこしてるんだから、審神者の地位を剥奪してもいいんじゃないですか?』

言いたい放題だ。
嘘も本当もごちゃ混ぜ状態。更には政府の所業もレンのせいとしてなすりつけられている。
七海を助けたことは、誰も何も触れない。
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