第54章 政府の企み ーその2ー
「はぁ。ま、後で教えてやっから。先に取り調べに付き合え。」
「わかりました。」
そのやりとりを見ていた刀剣達…と言うより、加州、大和守、鶴丸が、瀬戸とレンにジト目を向ける。
それに気づいた瀬戸が苦笑いを浮かべた。
「何も取って食おうってんじゃねぇんたから、それくらいは許せよ。器の小さい男は好かれねぇぜ。」
それを聞いた3人は益々ジト目で瀬戸を見る。
その様子を見ていたレンは、閃いた!とばかりにポン、と手を打った。
「ハグしますか?」
ほら、と言って両手を広げる。
「は?」
隣にいた瀬戸はイタイ子を見る目でレンを見た。
「いや、これすると機嫌が直るかもと思っ…」
最後まで言い終わらないうちに、視界が真っ暗に覆われる。
ついでに苦しい。
「「「レン〜!!」」」
3人は満面の笑みで、遠慮なくレンを抱きしめた。
「…子供か。」
瀬戸は呆れ顔で3人を見た。
「ちっ…。」
大倶利伽羅は横目で見遣りながら舌打ちをする。
こういう時、こいつらの性格は便利だと思う。
「お前も混じってくればいいじゃねぇか。」
瀬戸は揶揄うように大倶利伽羅を見遣る。
「馴れ合うつもりはない。」
だが、大倶利伽羅はどこか拗ねた様に言うと、ふいと顔を逸らせて離れていってしまう。
「く、くるしい…。」
レンはじっと息苦しさに耐える。
取り敢えず、ご機嫌は直った様で何よりだ。
「はぁ。やっぱりレンが一番。」
加州は幸せそうにレンの頭に頬ずりをしながら呟いた。