第54章 政府の企み ーその2ー
レンは歩きながら通話ボタンをタップし、スマホを耳に当てる。
プルルル、プルルル、プル…
『レン!お前、今何処にいる!!』
電話に出るなり、瀬戸は怒声を上げた。
取るのが早かったな、とレンは思う。
「すみません。昨日から野暮用で七海さんの本丸にいます。」
『それならそうと、一言言ってから行けよ!』
「すみませんでした。それよりもこちらで問題があって。七海さんが襲われました。」
『…な、なんだと!?』
それを聞いて瀬戸は血相を変えて聞き返す。
「相手は全部で8人。武装した男でした。」
『それで、七海は!?』
「意識もあり、怪我も負っていません。無事です。」
『そうか…。相手の顔は見たか?』
無事、と聞いて瀬戸は落ち着きを取り戻す。
「口布とヘルメットをしていて目元しか見えませんでした。武器は主に銃です。どうやら、来て真っ直ぐ七海さんの部屋に押し入ったようです。」
『くそ…。遂に仕掛けてきたか…!』
瀬戸は行儀悪く舌打ちをする。
「奥脇ですか?」
『それしか考えられねぇだろうが。』
「まぁ…、そうですね…。」
レンは先程戦闘を思い出しながら答えた。