第54章 政府の企み ーその2ー
「集まれる人は集まってください。」
レンは部屋の入り口近くに行き、刀剣達を呼び寄せる。
七海の刀剣達もごちゃ混ぜ状態だ。
「私の本丸の人達は、各自班編成を作って見回りに行ってください。鶴丸さん、加州さん、指揮を任せます。」
「わかった。」
「任せろ。」
加州と鶴丸は答えると、仲間を纏めはじめる。
「七海さんの所の人は、部屋ごとに分かれてください。」
「今から何をするんだ?」
「見回りと手当てです。」
「あなたの本丸の方達は何処へ行ったのですか?」
「東西南北に分かれて見回りに行く筈です。何かあった時にはそうするよう言ってありますから。あなた方にも行ってもらいます。」
刀剣達は驚いて顔を見合わせる。
即座に指示を出せるレンにも驚くが、レンの指示無しでも自ずと動ける彼等にも驚いた。
「薬研さんの班は多いので更に二手に分かれてください。
燭台切さんの班の人は先行して転移装置の見回りに出てください。部外者がいたら問答無用で叩き出すこと。」
「OK。任せて。」
「武器を忘れずに。」
「おう!」
燭台切と太鼓鐘がそれぞれ答えて部屋を出る。
「江雪さんの班はこの部屋の周囲を重点的に見回りしてから一度戻ってきてください。同じく部外者は叩き出すこと。」
「承知。」
「薬研さんの班は、救急道具を持ってきて2人の手当てに当たってください。」
「わかった。」
薬研は答えてから、仲間達に指示を出して七海の状態を診に行く。
「あなたは…。」
レンは、手前にいた白髪の青年に目を向ける。
「骨喰だ。」
「骨喰さんの班は、転移装置周辺を広範囲に見回り、うちの加州さんか鶴丸さんに指示を仰いでください。」
「わかった。」
骨喰は答えると、仲間を率いてその場を離れる。
レンは刀剣達に指示を出し終わると、スマホを取りに一度部屋に戻った。