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君に届くまで

第54章 政府の企み ーその2ー



「くそ!俺も持っておくんだった。」

「いや、鶴さんや僕達みたいな太刀は、部屋の中じゃ不利だよ。」

鶴丸が悔しそうに地団駄踏むのを燭台切が宥める。

「すみませんが、見張りお願いします。」

レンは近くにいた五虎退にそう言って、繭にした氷を解く。

「七海さん、起きてください。七海さん!」

彼女は氷の中で気を失ってしまったようだ。

「七海さん!?」

七海の叫び声に駆けつけた物吉が、血相変えて彼女に駆け寄った。

「何があったんだ!?」

部屋の前には七海の刀剣達も続々と駆けつける。

念の為、レンは七海の脈を取り、呼吸を確かめる。
問題は無いようだ。

「七海さん!しっかりしてください!」

「七海さん!」

物吉と前田は懸命に呼びかける。
何度かの呼びかけで七海は薄ら目を開けた。
ぼんやりと2人を見てはゆっくり瞬きをする。

「大丈夫ですか?」

レンは七海に近寄って腕を少し揺すると、七海はゆっくりと頷いた。

「燭台切、いますか?」

「ここにいるよ。」

レンが呼ぶと、入り口近くから声が上がる。
彼女は燭台切に近づくと、顔を近づけるように促した。

「将帥、勇ならざるは。」

レンが小声言うと、

「将なきに同じ。」

と小声で返ってきた。
レン達が予め決めておいた合言葉だ。
2人は互いの目を見て頷き合う。

「七海さんをお願いします。」

「わかった。」

燭台切は答えると、七海の側に行く。
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