• テキストサイズ

君に届くまで

第54章 政府の企み ーその2ー



「きゃっ…!」

レンは素早く七海を男から引き離すと、彼女を床に伏せさせせ、背中に手を当てる。

パキン!

音が鳴ったと同時に一瞬で氷の繭になった。

「くそ!」

男達は、再び一斉に発砲する。
七海に当たるのも厭わないらしい。
しかし、繭に当たった銃弾は全て弾かれていた。

レンは部屋中を縦横無尽に逃げ回る。

「レン!!」

鶴丸がやっと追いついて、部屋の前に姿を現した。
他の刀剣達も続々と辿り着く。


「武器を持て!!!」


レンは怒声を上げた。
その声にレンの短刀達が即座に応えて抜刀する。
彼女から有事に備えて常に持ち歩くよう言われていたのだ。

「えい!」

「でありゃぁ!!」

「隙あり!」

「そこだ。」

彼等はそのまま怯むことなく男達に斬りかかった。

「ぐぁぁ…!」

「くそ!」

幾人かの呻き声が上がり、彼等が取り損ねた者達をレンが狙う。

「いっ…!」

「ちっ…!」

レンは利き手を狙って氷千本を放った。
だが、どうしたって防護服には勝てない。
氷千本の半分程は、防護服を盾に上手く避けられてしまう。
結果、命中率は低く、思う結果は出なかった。

「一旦引くぞ!!」

その声を合図に、男達は体当たりするように刀剣達に突進しながら、素早く部屋から逃げ出してしまう。

/ 1263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp