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君に届くまで

第54章 政府の企み ーその2ー



それから、騒ぎを聞きつけた長谷部からもレン諸共こっ酷く叱られ、気づけば太陽は中天に差し掛かる頃だった。

「はぁ…。レンのおかげで酷い目にあった…。」

「よかったじゃないですか。ここを出て行く気が失せて。」

目の下にクマを作った加州の呟きに、レンはけろりとして言いながらおにぎりを頬張る。
刀剣達はそれを呆れ顔で見遣りながら、これまた揃ってため息をついた。

「ボク、もうちょっと賢くなりたい。」

「レンに任せると、白黒は付くだろうけど禍根が残るよね。」

「レンも鵜呑みにしちゃダメだって身をもって知ったよ。」

乱、大和守、厚は、おにぎりをもそもそと食べながら疲れ切ったように肩を落とした。

「そうですよ。自分の身は自分で守るのが一番です。審神者だからと丸っと信じたら自分の思い通りにいかないものですよ。」

「どの口が言うか!」

レンの他人事に鶴丸が怒鳴った。

「私はこの方法が一番最善だと思ったので。」

レンは反省も何のその。平然と言って退ける。

「お〜ま〜え〜な〜!」

鶴丸は勘弁ならず、ずんずんとレンに近づくと、見向きもしない彼女の頭をぐりぐりと拳で締め上げる。

「いたたたたたっ!」

レンは堪らず、持っていたおにぎりをぽとりと落とした。


『何事ですか!!』

その時、七海の叫び声が聞こえてきた。
彼等はぴたりと動きを止めて、互いの顔を見合わせる。

「見てきます。」

レンが逸早く待機部屋を飛び出して、七海の部屋に向かう。

「あ…!こら!待て!」

鶴丸は、一拍遅れて慌ててレンの後を追う。
他の面々も、鶴丸に続いて駆け出した。

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