第53章 疑惑
「それ…、上手くいくのかな?」
「七海さん、絶対怒るよね。」
大和守と加州はげんなりする。
「元々ここを出ようと思っていたんですよね?今更じゃないですか?」
レンは呆れたように2人を見る。
「レンは七海さんを信じてるの…?」
乱がそろりと尋ねる。
「ある程度は信じてますよ。でなければさっさと逃げてます。」
「…けど、何も騙すようなこと…。」
「とにかく白黒付けましょう。伸るか反るかです。私は七海さんにかけますよ。」
五虎退も困りきった顔でそろりと提言するが、レンはバッサリ切り捨てる。
「「「えぇぇ〜…。」」」
彼等が嫌そうな顔をするのを見て、レンはやれやれとため息をつく。
「それはそうでしょう。今ここにあなた方を預かってもらってるのがその証拠です。
怒らせようが何だろうが、七海さんの本心が聞ければみんな納得出来るんじゃないですか?」
「…それは…、そうだけど…。」
「では、早朝決行ということで。さっ、そうと決まれば仮眠をとってください。おやすみなさい。」
彼女はそう言って、さっさと毛布を被って丸くなってしまう。
彼等は互いに顔を見合わせて、大きくため息をついた。
明日のことを思うと、胃がきりきりと痛むような気がする刀剣達だった。