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君に届くまで

第53章 疑惑



その日の夕方、ノートパソコンを見ていた瀬戸は、驚いて声を張る。

「おい!レン!ちょっと来い!」

瀬戸は焦った様子で彼女の腕を取り、休憩室へと移動する。

「何でしょう?」

「あの携帯の番号、誰のか分かったぞ!江藤だ!」

レンは驚いた。

「…どういうことですか?それ、誰かが漏らしたってことですよね?」

「そうだな。それと、着信履歴見せろ。」

レンがスマホを渡すと瀬戸はアプリを開き、着信の日付と時間をざっと見る。

「やっぱり…。これ、全部お前がいない時を狙ってねぇか?」

言われてみると、着信音を聞いたことがない。
かかってくる電話は全て、瀬戸、七海、或いは瀬戸の仕事関係の人からだ。
今日も1日持っていたがその番号からかかってきたことはなかった。

「見張られてる…ってことでしょうか。」

そうなると話がまた違ってくる。
今やっていることも、筒抜けになっている可能性がある。
そうなればどこに罠が張られているか分からない。或いは、掴んだ情報そのものが罠の可能性すらある。

「かもしれない。或いは情報提供者がいるのか…。何にせよ、刀剣達が言わないわけだ。」

「…一旦中止にしますか?人選の洗い出しからやった方がいいかもしれないですよ。」

「いや、裏取りは続行する。最近、奥脇から頻繁に七海の所に直通が来るようになったんだ。もたもたしてたら何仕掛けられるか分かったもんじゃない。」

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