• テキストサイズ

君に届くまで

第53章 疑惑



レンは間借りしていた部屋で、彼女を待っていた鶴丸からスマホを受け取ると、瀬戸に電話をかける。

「もしもし、レンです。」

『おう、どした?』

「七海さんから申請の許可が下りたと聞いたので、今から封印作業をしてからそちらに行きます。」

『わかった。んじゃ、こっちに着いたらまた連絡くれ。迎えをよこすから。』

「わかりました。」

レンはそう言って電話を切ると、そのまま鶴丸にスマホを預ける。

「今聞いていたと思いますが、本丸封印の許可が下りたので、先に封印作業をしてきます。ここで待っていてもらえますか?」

レンが鶴丸を見ると、何故か彼は神妙な面持ちで彼女を見ている。

「鶴丸さん?聞いてます?」

レンがそう尋ねると、ハッとしたように取り繕って笑顔を向ける。

「あ、あぁ。わかった…。」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。何でもない。」

「…じゃあ、ちょっと行ってきます。」

レンは不思議そうに鶴丸を見ながら部屋を出る。
鶴丸は作り笑いを浮かべながら手を振った。
/ 1263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp