第52章 審神者代理
「なら、うちに来る?」
「七海様!」
長谷部は焦り、七海を止める。
「レンさんが空斗さんを手伝うなら、そうかからないんじゃない?大丈夫よ。少しの間だけなら。」
「しかし!」
「この様子だと、うちの子達を押し除けてまで入れ替わろうなんて邪なこと考えてる人はいないだろうし。」
七海の言葉を聞いた刀剣達は、揃って嫌そうに顔を顰めた。
「ほら。」
七海は彼等を指差しながら長谷部を見た。
長谷部は七海を見て、深いため息をつく。
「…承知致しました。」
言い出したら聞かないお人だ、とぶつぶつ文句を言いながら、長谷部は渋々了承の意を示した。
「決まりね。全員うちの本丸に来ればいいわ。そしてここを封印するの。私が申請するわ。知り合いにあたって連名で申請すれば、あの男だって易々とは解除出来ないはずよ。」
「全員に脅しをかけて…、なんてことは?」
レンは念の為聞いてみると、七海は少し考えてから答えた。
「無くはないけど…。連名で出す人は厳選するし、よく言い含めれば問題ないと思うわ。」
「なら、その方向で。申請は七海さんに丸々お任せしてもいいですか?」
「いいわよ、任せて。」
「封印する時は手伝いますから。」
「そうね、お願いするわ。ついでに呪のやり方も教えてあげる。」
「お願いします。」
「なら、一旦俺は帰るわ。色々と準備があるし。ひと段落したら七海に連絡入れるから、そしたら行動開始でいいだろう。」
「わかりました。」
瀬戸が指示を出し、レンは了承した。