第52章 審神者代理
「こっちが聞きたいわ!!」
が、逆に大和守に怒鳴られた。
燭台切も隣で頭を抱えている。
レンは再びヘルメットを取り外し、大和守と燭台切をまじまじと見る。
怒りの形相の大和守に、困り顔の燭台切。
どちらもレンの知ってる2人に見える。
すると、大和守がレンに飛びつくように駆け寄り、問い詰める。
「ねぇ、何でこんなとこで働いてるのかな!?逃亡先を探すんじゃなかったの!?」
「あぁ、それなら古アパートが借りれそうなので、そこで生活ができます。」
レンは何でもないことのように言う。
「じゃあ、一回帰ってくればいいじゃん!」
「保証人を立てない代わりに、最初にいくらか支払いをしないと借りることが出来ないんですよ。その為の資金稼ぎです。」
「何なの!?それ!?」
大和守は納得できずに頭を掻きむしる。
「よし、保証人なら俺がなってやるから、今すぐ帰れ!」
瀬戸が話しに割り込んだ。
それをレンは半眼で見遣る。
「断る。」
「何でだよ!」
「問答無用で人を殺す奴がうろつく所へ帰る気はありません。」
「何言ってんのかわかんねーよ!とにかく帰れ!」
事情をまだ知らない瀬戸は、レンの言葉に聞く耳を持たない。
「そうだよ。帰っておいで。もう安全だから。」
「そう。安全だから。もう大丈夫だから。」
燭台切も話しに加わり説得にかかる。大和守も燭台切に続くが、レンに納得する気配はない。
「何が安全なのかわかりません。」
「ちゃんと説明するから一旦帰ろう。」
燭台切が尚も言うも、レンは首を横に振るばかりだ。
「今すぐは無理です。厚意で働かせてもらっているので、説明しなければ。」