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君に届くまで

第52章 審神者代理



「お前、審神者だっていうのは本当か?」

「…どこで聞いたんですか?」

ーまさかとは思うが、こいつが通報者か?

レンの中に、瀬戸に対する警戒心が生まれる。

だが、瀬戸の反応はレンの予想とは違っていた。
レンの言葉を聞いた途端、見る間に怒りの形相となったのだ。

「お前…!審神者なのにあんな仕事引き受けてたのか!?」

「…はあ?」

ーなんだろう、なんかズレてる。

「はあ?じゃねぇわ!!バカ女!!」

そして怒鳴られた。

「何で審神者やってるなら”やってる”ってちゃんと言わねぇんだ!!アホが!!」

ーなんだか理不尽に思うのは気のせいだろうか…。

「…あの…、私身の上は明かせないと、はじめに言っておいた筈だと思うんですが…。」

レンは訳がわからないながらも、そっと大前提を伝える。

「知るかボケ!!」

「…えぇぇ?…めちゃくちゃ理不尽…。」

「…あなたはそれでも警官ですか?」

すぐ側で、知らない女の声が割り込んできた。
おそらく応接室にいた女の声だ。

「お前は黙っとけ!!」

瀬戸と女は知り合いなのか、と思うやりとりだ。
レンは瀬戸からヘルメットを引ったくって取り戻すと素早く被り直した。

そして、そろりと振り返り、驚いた。
女の隣にいたのは、唖然としている大和守と燭台切だったからだ。

「…えーと、…どういう状況ですか?これ。」

レンは、あべこべな情報をどうにかしたくて問いかけた。
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