• テキストサイズ

君に届くまで

第52章 審神者代理



「あら、やっと来たわ。」

午後の2時を過ぎた所で、漸く七海のスマホに着信が入る。

『おぅ。元気か。』

電話に出ると、空斗の声が聞こえてきた。

「えぇ、お陰様で。元気よ。」

『メール見たんだけどな。あの写真の女を探してるのか?』

「そうよ。姉様の本丸の刀剣達が探しているの。心当たりあるかしら?」

『…何で刀剣が人を探してるんだ?』

空斗の怪訝そうな声が返ってきた。
まぁ、普通は刀剣と人間は関わりを持たないのだから不審に思うのも無理はない。

「実はね、その方、姉様の本丸の主なんですって。」


『なにぃぃぃぃいい!!!??』


空斗の突然の大声に、七海は思わず電話から耳を離してしまった。

「いきなり大声を上げないでくださいな。」

『いや、わりぃ。え?待てよ、待て待て待て。それマジもんの情報か!?』

「彼等がそう言うんだもの。間違いないと思うわ。
それに、彼女。この前の国会議事堂でのテロの主犯なんですって。」


『嘘だろぉぉぉおおお!!!??』


再び大声を出されて、電話から耳を遠ざける。

「…空斗さん?」

七海は落ち着きのない空斗に静かに釘を刺す。

『いや、わりぃ。だってよ、驚きもするだろ!?これ、レンだよな!?』

「…え?…何で空斗さんがその方の名前を知ってますの?」

七海は驚いて聞き返した。
名前を一切出していないにも関わらず、何故彼女の名前を知っているのか。

『いや、実はさ。今、手伝い要員として使ってる奴なんだわ…。審神者だとは思わなかった…。』

空斗がそう言って、暫し無言が流れる。

「…はい?…手伝い要員ってどういうこと?」

一方の七海も意味がわからず聞き返した。

『だ、だから、凶悪犯を捕まえたり…、足取りを掴んだりさ…。腕が立つ奴だから…、夜だけ、仕事手伝ってもらってるんだよ。』

空斗は言いにくそうに、つっかえつっかえ事情を説明する。

「…は!?」

七海も驚いて思わず大声を上げた。

瀬戸空斗が所属するのは、警視庁強行犯捜査係3課という。
割と大きなヤマが入り込む、警視庁の花形だった。
/ 1263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp