第52章 審神者代理
さゆりと七海は年子の仲のいい姉妹だった。
しかし、約10年前。突然父の命令で審神者になることが決まり、友達にも家族にすら碌に別れを言うことも出来ずに外界から切り離された。
さゆりは15の歳で、七海は14の歳で。
2人ともまだ中学生だった。
それから、姉がどのように過ごしたのか知らないが、荒れていたのだろうと想像がつく。
それは七海も同じだったから。
心細かった。
憤ろしかった。
慕ってくる刀剣が鬱陶しかった。
こいつらさえいなければ…。
他にぶつけようのない憎しみを、七海は刀剣達にぶつけた。
本丸に閉じ込められた七海には、何もかもがどうでもいいことの様に思えてならなかった。