第52章 審神者代理
「さて。昨日言った通り、遠征に出てもらうわ。
鳴狐、五虎退、太鼓鐘、加州、大倶利伽羅、燭台切。以上の6名は支度が終わり次第転移装置に向かってちょうだい。」
朝の支度が終わる頃、広間にさゆりが現れて本日の隊編成を告げる。
「…行き先は?」
「幕末よ。そう難しくない任務な筈だわ。私は先に行っているわね。」
大和守が尋ねると、さゆりは答えて去っていく。
乱は、さゆりの姿が見えなくなったことを確認すると、皆に向き直った。
「ねぇ。今名前呼ばれた人で魂縛りにかかっている人いる?」
「僕はかかっていません。」
「俺もだな。」
「僕もかかってないよ。」
乱の問いかけに五虎退、太鼓鐘、燭台切が答え、残りの面々もそれぞれ首を横に振る。
「それって、そのままボイコットできるってことじゃない?」
乱が言うと、遠征の面々は納得の表情を浮かべる。
「そっか。態々遠征行かなくてもその手があるね。」
「じゃあ、このままここで遠征拒否を決め込むかい?」
「そうだな。そうすれば向こうからまた何か言ってくるだろう。そしたら今度こそ魂縛りを使うかもしれないしな。」
加州、燭台切、太鼓鐘の言葉に彼等は頷いた。