• テキストサイズ

君に届くまで

第52章 審神者代理


――五稜郭にてーー


「話が違うではないか!!」

奥脇は怒りに任せて机を叩いた。
江藤はその様子に竦み上がって、びくりと肩を揺らす。

「も、申し訳ありません。何分いつすり替わったのかも検討が付かず…」

「あれ程、あの女の術には気をつけるようにと言っておいただろうが!!」

奥脇は、江藤の言い訳に耳を貸すことなく怒鳴り返す。

「まったく役立たずめが!付喪神を支配できぬ審神者なんぞ初めて聞いたわ!よくその様で身内を推薦出来たものだな!恥を知れ!!」

奥脇は怒りが収まらず、思いつく罵詈雑言を江藤に浴びせた。彼は反論することも出来ず、悔しさに唇を噛んで握り拳を作り耐える。

「まったく!!その間、何とか足止めをしておいてやる!何とか妹を説得しろ!そして逃げた女を探し出せ!さもなくばお前の家への援助は白紙だ!前払金も返してもらう!!」

「必ず!必ず致します!!どうか援助の打ち切りだけは…」
「喧しい!!わかったらさっさと出て行け!!」

江藤の懇願も聞き入れることなく、奥脇は彼を部屋から追い立てた。
/ 1263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp