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君に届くまで

第52章 審神者代理


――2日後…。――


「…あなた達で全員?」

転移装置の前で、現代に行く方法を模索していた大和守達の前に、見知らぬ女が現れる。
巫女服のような赤と白の着物を纏う女は、一番手前にいた大和守を見ても嬉しそうな様子もなく、淡々と質問を繰り出した。

「…いや。まだいるけど…。」

大和守は不機嫌そうに答える。
また来た、という苛立ちが込み上げた。

「そう。話があるの。全員集めてちょうだい。どこに行けば話せるかしら?」

女は来た早々、自身の名を名乗ることなく、大和守に静かに指示を出す。

「何で、その指示に従わなければならないの?」

小夜が目元を険しくさせながら女を見る。

「あら。審神者の言は一通り聞いておくものよ。でないと自身の状況を把握できないのではなくて?勝手に指示を出されるのも嫌でしょう?」

至極当たり前のことのように淡々と述べる女に、聞くだけなら、と彼等は納得する。

「大和守殿は先に行ってください。私とお小夜がこの方を広間に案内します。」

「じゃあ、お願い。俺はみんなを集めて来るよ。」

「なら、俺がここら辺にいる人を集めて来る。」

「僕も行きます。」

転移装置の周囲にいた江雪、大和守、薬研、五虎退は、それぞれの役割を話し合い、大和守は駆けて行った。

「…私がご案内します。宜しいですか?」

「ええ。お願いね。」

江雪が女に向き直り、女はそれに応えた。
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