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君に届くまで

第51章 反撃



「やっと来たわね…。」

鶴丸と乱が審神者を訪れると、そこには鶴丸の刀を大事そうに抱え持つ五虎退と、戦装束で刀を携えた大倶利伽羅が立っていた。

「…随分と物々しい雰囲気だな。」

鶴丸は場の雰囲気に眉根を寄せて、不快感を露わにする。

「五虎退、乱藤四郎。あなた達は下がっていなさい。
それと、五虎退。あなたは持っている鶴丸国永の刀を本人に渡しなさい。」

鶴丸の言葉に女は答えることなく、淡々と指示を出す。

「私、もう、腹に据えかねるものがあるの。けれど、私もこのままではむざむざ家には帰れないのよ。
私の命令が聞けないのならそれで結構よ。但し、罰を受けてもらうわ。これは見せしめよ。」

そう言うと、すっと紙札を出し何事か呟いた。
すると、女の神気が膨れ上がる。

「鶴丸国永、大倶利伽羅。この場で今すぐ殺し合え!!」

女が叫んだと同時に、今までとは比べ物にならない程の呪が鶴丸と大倶利伽羅に絡みつく。

「「……!」」

まるで何かに操られるかのように、2人は刀を抜く。

「くっ…!」

そして互いに向き合い、刀を向けた。
必死で抗うも体がいうことを利かない。
一歩一歩と、ジリジリと近づいてしまう。

「鶴丸さん!大倶利伽羅さん!」

五虎退は焦りから2人の名を叫んだ。とてもじゃないが見ていられない。
しかし、皮肉なことに五虎退の叫びが気の緩みを起こし、2人は一気に間合いを詰めて鍔迫り合いになる。

キン!という金属音を響かせながら激しい打ち合いが始まった。

「鶴丸!」

「わかってる!」

2人の常にない焦った様子に、女はニヤリと笑う。

「これからは私の命令に素直に従うと言うのなら、この命令を取り下げてあげてもいいわ。勿論、他の刀剣達もあなた達が説得するのよ。」

鶴丸は斬り合いの合間に女をギッと睨みつける。



ー誰がお前なんかに従うものか…!!




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