第51章 反撃
その時、後ろで障子がバタン!と派手な音を立てて開けられた。刀剣達が一斉に振り返ると、江藤が怒りの形相を浮かべて静かに立っていた。
「あなた方は審神者を何と心得ているのですか。」
江藤は刀剣達に静かに問う。
しかし、彼等は一様に無表情で無言を貫く。
「あなた方には審神者に従う義務があるのですよ。粗相は許されません。いいですね。」
江藤は、膨れ上がる怒りを抑えるように自身の手を強く握りしめ、努めて冷静に念を押す。
それを冷たく見ながら加州は口を開いた。
「…あんた、審神者の何なのさ。」
「…は?」
突然の問いに江藤は眉を顰める。
加州は、それを見遣ると立ち上がって、隅に置いてあった自身の刀を持つ。
「あんたは俺達に命令する権利でもあるの?」
加州は江藤の側まで来ると、すらりと刀を抜いて切っ先を彼に向ける。