第50章 主、幽閉
「魂縛りの呪。これを破る。」
「どういうことだい?」
燭台切が尋ねる。
「たぶんだけど、新しい審神者は魂縛りを使って俺達をいいように使おうとしてくる。でもそれが効かなかったら何もできない。それに主従の契りは新たに結べない。」
「レンちゃんが既に結んでいるからね。」
燭台切が言葉尻を拾い、加州は頷いた。
「レンは江藤に連れて行かれる前、鶴丸と大倶利伽羅に何かしてたよね?あれって何してたの?」
加州は確信がありながらも尋ねる。
「あいつは俺達に神気を分けていった。」
大倶利伽羅がぽつりと言った。
加州は、やっぱり、と思う。
レンは一番成功率が高い鶴丸と大倶利伽羅に神気を分けていった。
魂縛りをかけられた時に、より確実に呪を破れるように。
それを聞いて、そうか、と鶴丸が呟く。
「運良く俺と伽羅坊に当たれば魂縛りを真っ向から跳ね除けることが出来る。そうすれば逆に脅すことも出来なくはないな。」
「そしたら十中八九逃げ帰ると思うんだ。」
「そうか、現代に逃げ場があるんだものね。」
乱が納得して呟いた。
「審神者を追い出そうってことか。」
大和守が纏める。
「うん。今の俺達にはそれが出来る。」
加州の言葉に彼等の瞳に強い光が宿る。
「やることは決まったね。」
大和守は楽しそうに笑った。