第50章 主、幽閉
「…出過ぎたことを致しました。ではあちらでお待ちしていますので、お越しくださいませ。」
江藤は深くお辞儀をして礼を取ると、広間から去って行った。
それを見届けて、レンは鶴丸と大倶利伽羅を近くに呼ぶ。
「手を…。」
そう言ってレンは両手を差し出した。
鶴丸と大倶利伽羅は互いに顔を見合わせた後、レンに手を差し出す。
彼女は2人の手を握ると、チャクラを流せるだけ流し込む。
「お前…。」
大倶利伽羅はレンを見た。
「レン、」
鶴丸は何事か言おうとするも、レンはそれを遮る。
「有効に使ってください。術を破るにはチャクラは多い方がいいでしょう?」
そう言って、レンはニヤリと笑う。
「忘れないでくださいね。今までやってきたこと。」
レンは手を離すと、審神者の住居棟へと向かって行った。
後には何とも言えない空気が漂う。
彼等の中に言い知れぬ不安が渦巻いた。