第49章 危機回避
就寝前。
広間の障子を締め切って、皆で魂縛りの呪の練習を始める。
「加州清光、大和さんを殴れ。」
「殴ると言えばボクシング。ボクシングと言えばスポーツ。スポーツと言えば剣道!ってことで安定、攻撃!」
「受けて立つ!」
加州はレンの命令を受けて、大和守を”殴る”。
2人は楽しそうに木刀でチャンバラごっこを始めた。
「こんなんで命令回避できるなんてな…。」
薬研はげんなりしながら様子を見守る。
「僕達の苦労って一体何だったんだろうね…。」
燭台切も隣で遠い目をした。
「真面目に聞いてた俺達が阿呆だったって事だな。」
鶴丸も燭台切の隣で苦い顔をする。
「乱藤四郎。一周回ってワン!」
命令を受けた乱は厚の周りを一周走って、
「ワン!」
と可愛くポーズを取る。
「よく出来ました。こんなもんですかね。私もだいぶチャクラを消費しましたし。」
「だいぶコツは掴めたね。」
「…今までの俺達って…。」
厚は少し前の自分達を思い出して、ほろりと涙を流す。
「…どんまいってヤツですね。」
レンは厚の肩をそっと叩いた。