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君に届くまで

第48章 魂縛りの呪


すると、レンの背後に鶴丸が現れた。

「隙あり!」

と言いながら捕まえようと振りかぶるが、レンは読んでいたかのようにするりといなくなる。

「…!」

鶴丸は勢い余って、尚も言い募ろうとしていた加州を捕まえてしまう。
意図せぬ形で抱き合ってしまった2人は、変な汗が噴き出る。


「「ぎゃあぁぁぁ!!!」」


鶴丸と加州は青い顔で、慌てて互いから離れる。
大和守は逸早く危機を察して距離を取っていた。

その様子を見ていた乱は、一人皆から背を向けて、肩を震わせ笑いを堪えている。

「乱藤四郎。他人事じゃないですよ。犬の真似して一周回ってワン!です。」

一瞬で笑いが引っ込んだ。
声の主を探すと、天井に立っている。

乱は自由の利かなくなった体を必死で止める。
しかし、徐々にレンの命令通りに動いてしまう。
四つん這いになり、その場でぎこちなく一周すると、

「…わん!」

と、思い切り吠えてしまう。
そこで、体の自由が戻ってきて、乱は項垂れた。

「…ダメですよ。ちゃんと逆らわなきゃ。」

レンはニヤリと笑って乱を見る。


「…わかってるよ〜!!」


乱はやけくそに叫んだ。
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