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君に届くまで

第48章 魂縛りの呪


鶴丸と大倶利伽羅はゆっくり向き合った。互いの脳裏に今までのことが駆け巡る。
2人の腕が触れ合った所で、感情が一気に爆発する。

「「……!」」

「おや、破られましたね。」

鶴丸と大倶利伽羅は、体の自由を取り戻すと同時に無言でレンにつかつかと歩み寄り、同時に拳骨を繰り出す。
が、スカッという音と共に空振りに終わった。

「何で避けるんだ!大人しく殴られろ!」

鶴丸が怒鳴るもレンは飄々として、人一人分の距離を取る。

「嫌ですよ。痛いのは御免です。」

鶴丸が尚も追いかけ回そうとしたところで、ゴン!!という鈍い音が近くから響いた。
音のする方を向くと、加州と大和守が互いに背を向けて、額を抑えて蹲っている。
どうやら呪を破ったらしい。


「「レン〜!!!」」


2人は地を這う様な声音で怒鳴る。

「はい。何でしょう。」

鶴丸の死角から返事が返ってきて、加州と大和守はバッと振り向いた。


「「何やらすんだ!!」」


2人は涙目になって大声でレンに言い募る。

「回避できたみたいで、良かったですね。」

レンは指で耳を塞いで、しれっと答えた。

「僕は女じゃない!バカにするな!」

「俺だってそういう趣味はない!」

「知ってますよ。ただ、この命令だったら嫌だろうなっていうやつを出しただけですから。」

大和守と加州はレンに言い募るが、レンは全く取り合わない。
言い合いをしたところで平行線になるだろうことは明白だ。
大和守はげんなりし、加州は手をわきわきしながら怒り、顔を赤くする。
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