第48章 魂縛りの呪
レンの中に、こんのすけの言葉が蘇る。
『刀剣男士は主様の呪にかかりやすいのです。
それは、主様の神気が身の内に流れているからということも大いにあるのですが、元々、名前で縛る呪に弱く作られているのです。
それに加えて、刀剣男士は素直な者が多いのです。更に審神者を慕いやすい傾向にある為、余計にかかりやすいので御座います。』
魂縛りの呪を教えてもらった時に、一緒に教えられたことだった。
それをこんのすけから聞いた時に、成程、と納得した。
前々から不思議に思っていた。
何故、彼等は審神者の命令通りに殺し合う必要があったのか、素直に従ったのか、と。
そういう事情ならば、あそこまで被害が出たのも頷ける。
その時から、こうしようと考えていた。
彼等が二度と悪夢を見なくて済むように、彼等には魂縛りの呪の耐性をつけてもらおうと。
そうすれば、暗に政府に怯えることもない。誰が審神者に立とうとも、彼等が呪にかからなければ何の問題もないのだ。
そして、自分も術の練習が出来て一石二鳥という訳だ。
『魂縛りの呪は、かける方は言霊に強い意志を乗せることがコツです。受ける方はそれに逆らう強い意志が必要なので御座います。
つまり、刀剣達は審神者の命令に素直に従わないことが肝要なのです。』
コツは、刀剣達に伝えた。
あとは各々感覚で掴んでもらうしかない。
「さて、どんどんいきますか。次は…。」
レンは、こんのすけの言葉を思い出しながら次に狙いを定める。
レンも刀剣も練習あるのみだ。